だ。ログ。

開発とかスノボとかやきうとか。

オフショアと言う夢。

コスト削減をしたいと言う会社の意向は分かる。
エンジニアが正しい金額で働いているかと言う事は、尺度で測る術があまりないからだ。
そこで出てくるのは、これ以上部隊を強化するよりも安い金額でお願いする。

オフショアと言う事になる。

じゃあ具体的にオフショアってどうすれば良いと言うナレッジが一般の企業にはない。
新たに持ち込まれたコスト削減策をどうすればコスト削減になるかと言う具体的な部分の議論がないのである。
全てが全てではないが、オフショアの紹介先から言われるがままに部隊の確保が完了したと言う話が降りてくる。

「じゃ、あとは現場がうまく使ってね」

この一言で現場は混乱がはじまる。
そもそも現地のコーディネイターとも会話した事がない。
しかも部隊が使える技術力の把握が出来ていない。紹介者もサイトの上辺だけを見て大丈夫ですとしか言っていない。

まずは仕方なしに小さな改修をお願いする。
まーこの位なら。と言う気持ちで経験の浅めの人間に仕事を依頼する。
1日後返ってきたメールには烈火の如く怒りに満ちたモノである。

・詳細に練られた設計
・正常時の最終的な完成イメージ
・異常時の対処方法


そして先方からこのフォーマットに合わせろと言う指示の元に書く。
たかだか2,3行の修正の為に、結果まで全て包括した設計が必要となる。
仕方なしに仕様理解と変更に伴う結果が分かる人間が仕様書のレビューをする。
そのレビューを通ると今度はオフショア様側にお伺いを立てる。

オフショア様側は分かりました。と返答とともにシステムを完成させる。

ところがだ、この数行の変更で済むはずのシステムが何故か外部プラグインを取込み仰々しいまでの変更が加えられている。
確かに満たす所の動作は出来ているが、動作させる為に様々な所に変更が掛かる。
トレンドを追った結果、言葉で伝えれば最初に烈火に怒られた人間が30分もあれば出来る事に半日以上を費やした。


さて、これが簡単なシステムであればまだしもである。
複雑なシステムになってくると、今度はコーディネイターとの信頼構築が必須となってくる。
提示されたドキュメントに沿ってドキュメントを作成する。
提出して返ってくる言葉は意外とあっさりと「分かりました」と返ってくる。

結局この納品で地獄を見たのは何あろう発注側である。
何が間違いだったか。

そもそもオフショアなんて使うこと

現場の結論としてはそれが全てである。
具体的に言えば、仕様に関しての大枠を組めば「ある程度」のモノは出せるので「ある程度」の大枠をこちらは提示した。
提示して出てきたモノは、そもそも論バグで動かない状態が「仕様だから」と言う事で作成されている。
そして一番の問題は、現状のモノを見てテストをしながら軌道修正が出来ないので、テスト仕様を決める事ができない。
勝手にUI部分を変更していたり、動的な要素が意図せぬ動きをしてくる。
そこまで含めて仕様に盛り込んで書けと言われる。

ぶっちゃけて言えば、自分が作った方が早い。
と言う事なのだ。

目の前で依頼者と話をしながら方向性やデザイン、内容のブラッシュが出来ない。
完全なるウォーターフォール型でウェブ開発を行わねばならない。
と言う事は

・視覚的要素のフィックス
・動的要素のフィックス
・システム仕様のフィックス
・テスト仕様のフィックス

ここまで出来て、はじめて「オフショア」が成立する。
一つでも欠けると、依頼者側が全てを担保する。それも現地コーディネイターは○○できてないから。○☓ではないから。
と言う理由で全てが動かなくなる。

最終的にどうなるか。
「もういい、俺が書く」

自分が使いこなせない事が悪い。確かにそれは事実だ。
しかし、上手く行く為にはどうすべきかと言う議論もなしに海外を使う事で開発力を国内より安価ですぐに用意する事ができる。
と言う具体例がないままに使うと、簡単に出来る事すらも簡単にならなくなる。
体制だけ豪華になり、ボトルネックが生まれる。

開発メンバーがディレクションとコミュニケーションに大半の時間を取られドキュメントを書かれ。
結局はそれにつきっきりになり「とりあえず作る」金額は抑えられたが完成までにはメンバーが対処するのでむしろコストフルになる。

と言う夢を見た。フィクション。